現在、家を建てるなら必要な住宅性能 ~耐震性 その1~

家づくり

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今回は昨今の情勢から2023年現在、注文住宅を建てる場合に最低限必要となる住宅性能をまとめていこうと思います。賛否両論ある内容ですので、異論はあると思いますが、一応、私が最低限必要と思う理屈も併せてお話しします。

 

今回は私が最も大事だと思う住宅性能の耐震性についてお話します

のっけから耐震とは、地味だね

地味だけれど、車でいえば事故時の安全性、例でいえば、エアバックやフレーム強度にあたる部分だから、他のどんな住宅性能よりも重要な性能だと思うよ。

まずは、知っている人も多いとは思うけれど、耐震性を表す住宅性能、『耐震等級』についてお話します。

現在、家を建てるなら必要な住宅性能 ~耐震性 その1~

耐震等級とは?

耐震等級(たいしんとうきゅう)は、建物の地震への強さ、耐震性能を示す指標の1つである。耐震性の指標として現在広く使用されており、耐震等級1から等級3までの3段階で表される。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」およびそれに基づいた「住宅性能表示制度」に沿って制定された。(Wikipediaより引用)

耐震等級1:建築基準法で定められた耐震性能の最低ライン
震度6強〜7程度の地震が起きても『即時倒壊しない』

耐震等級2:等級1の1.25倍の強さ
震度6強〜7程度の地震が起きても『補修により引き続き居住できる』

耐震等級3:等級1の1.5倍の強さ
震度6強〜7程度の地震が起きても『”軽微な” 補修により引き続き居住できる』

建築基準法の最低ラインが等級1ってことは、最近の家はみんな等級1以上ってこと?最近の家は結構安全なんだね。

名目上はその通り。でも実際はそうじゃない家もあるという話がある。
それに最近は耐震等級のベースとなった兵庫県南部地震を超える地震も記録されている。この辺を話すと長くなるから、別の機会でお話しします。

まずここでは、各等級の『即時倒壊しない』『引き続き居住できる』の二つが重要です。

耐震等級1は即時倒壊しないだけで、そのまま住み続けることは難しい。つまり、すぐには倒壊しないから、その間に避難してねって意味です。
耐震等級2は地震によって家の破損はあっても、そのまま住み続けられる。

耐震等級3は耐震等級2より軽い破損ですんで、そのまま住み続けられる。

等級1だと避難所とかに避難しないといけないけど、等級2以上だとそのまま家にいれるってことだね。

さすがに一時的には避難した方が無難だとは思うけれど、地震が落ち着いた後、そのまま家に帰って生活できるのは耐震等級2以上ってことだね。

じゃぁおすすめは耐震等級2以上ってことかな?

それがまたそんな単純じゃなくて、耐震等級は確かに等級1~3の3段階なんだけど、実際の家の耐震性はその計算方法によって異なるんだ

同じ耐震等級なのに家の耐震性が違う? 性能表示計算と許容応力度計算

家の耐震性を決めるためには構造について計算・検討を行う。

その方法には大きく分けて3つの手法がある。

①仕様規定(令46条壁量計算)
 地震や台風などの力で家が壊れないかを壁の量(壁量)をもとに確認する方法(壁量計算)
 ※超簡易計算 計算書はA3用紙1~3枚

②品確法(性能表示計算)
壁量計算に、床や屋根の強度、横架材(梁や桁など)の強度の検討を加えた計算方法
 ※簡易計算 計算書はA3用紙6~10枚

③許容応力度計算
家の構造にかかわる部材(柱や梁、基礎など)の一つ一つにかかる力を計算、強度が足りるかを検討する計算方法
※詳細計算 計算書はA4用紙200枚以上

3つも計算方法があるのか。
普通こういうのは簡易計算ほど安全マージンを取ってて、詳細計算は安全マージンが取れないときに詳細に計算して完全なのを確認するものだろうから、壁量計算が一番強いのかな?

全然違うから注意してね!

それぞれの計算で強度が違うのはその通りだけど、住宅建築における構造の検討において、詳細計算ほど最終的な強度が強くなる傾向がある。

これが厄介であまり知られていないところ。
同じ耐震等級でも計算方法によって、家の強度が違うってことが起きる。
分かりやすく図解すると以下のようになる。


YouTube 『「構造塾」木造住宅の耐震性能を本気で考える!』 から引用

計算の詳細さが上がるごとに、耐震等級が1ランク分くらい強度が違うよ!?

そう!
計算の詳細性が上がるごとに強度は上がっていく。
100%この図の関係になるわけではないけど、おおむねこの傾向がある。
だからなるべく詳細な計算を、できれば許容応力度計算をした方が家の耐震性は上がる。建築会社に耐震等級の取得を希望するときには、耐震等級のランクだけじゃなく、どの計算方法によって検討してもらうかも伝えた方がいい

まとめ

耐震等級の基本編はここまで。

ここでは以下の2つだけは確実に覚えておいてほしい。

 

①耐震等級は1~3がある(耐震等級3が一番耐震性が高い)

②耐震等級の計算方法は3つある。

 同じ耐震等級でも計算方法によって耐震性が違う。

 

次回は最近の法令変化の動向や地震の事情を踏まえて、ひのきパパが思うおすすめの耐震等級をお話しします。

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